2.ファンダイビングって、どんな方法があるの?
ファンダイビングの方法は、『ビーチダイビング』と『ボートダイビング』に2分されます。
ここではさらにいくつか特色のあるファンダイビングの方法について紹介します。
2-1.ボートダイビング
ボートでダイビングポイントまで移動してファンダイビングを楽しみます。
多くの人は2ボートダイビング(1日に2回ダイビングをする)だと思うので、2ボートダイビングの1日の行程を、那覇のショップから慶良間諸島に行く場合を例にザックリ紹介します。
【例:那覇のショップから慶良間諸島に行く】
8:00頃 | ショップに集合
ほとんどのショップは、各ホテルからショップまで送迎してくれます。 |
8:30頃 | 出航 |
9:30頃 | ポイント到着
このボート移動がホントに最高! 移動中にブリーフィングがあったりします。 |
10:00頃 | 1本目のファンダイビング(約40分) |
11:00頃 | 浅瀬や次のポイントに移動・停泊して水面休息を兼ねて昼食
3ダイブする人は、昼食前に2本目のファンダイビングをする事が多いです。 2ダイブの人は、シュノーケリングをやったり昼食摂って昼寝したりで、各々マッタリ過ごします。 |
13:00頃 | 次のポイントへ移動 |
13:30頃 | 2本目のファンダイビング(約40分) |
15:00頃 | 本日のダイビング終了 |
16:00頃 | 帰港 |
私は、ボートダイビングは最高だと思ってます。
ボート移動も大好き。
昼ご飯のあとに好きにシュノーケリングさせてもらえるのも好き。
なにより、ファンダイビングもいいのだけれど、きれいなボートで一日をゆっくりと過ごす、あの過ごし方が大好きなんです。
観光船ではないのでボートは結構なスピードを出すし、波を切ったときは割と揺れます。
沖縄の澄んだ海を疾走するボートに乗って全身で風を受けていると、もうそれだけで最高のアトラクションです!
普段の疲れなんて吹っ飛びます(*^-^*)
昼食中は、島の近くで水深10m以浅の浅瀬に停泊することが多いです。
ダイビングでは、潜った分だけ血液中に窒素が溶け込むため、2本目のダイビングの前にある程度まで血液中の窒素を自然放出する必要があります。
そのため、1本目のダイビングの終盤に水深の浅いところで『減圧停止(安全停止)』と呼ばれるインターバルをとったり、ダイビング終了後にボート上や水面など水圧のかからないところで『水面休息』と呼ばれる休憩を一定時間とります。
この休憩時間は、アメリカ海軍の潜水経験と潜水医学に基づいたダイブテーブルというもので算出できます。
ほとんどのショップでは、水面休息を兼ねて昼食をとります。
昼食後、休息の時間はどうすごすか・・・シュノーケルです!
(全然休息してないやん!(笑))
ボートのへりに立てば海底が見えるほどの澄んだ海が、足元に、目の前にあるんです。
そんなの、飛び込まないわけないでしょう?(笑)
ウェットスーツを付けずに水着だけで海に飛び込めば、もう最高!
ほど良く冷たい海水が沖縄の太陽で火照った体を冷やしてくれて、ずっと海に入っていられます。
数メートルの素潜りで水温がグッと下がる所もあり、そんな海の変化をで素肌で体験できるんです。
最高でしょ?(笑)
2-2.ビーチダイビング
ビーチから徒歩で海にエントリーするダイビングです。
ボートダイビングのように大きな段取りが必要なく、気軽に楽しめます。
陸地からほど近い海域でファンダイビングをするので安全確保をしやすく、安心感は高いです。
ただ、やはりビーチ近辺でのダイビングになるので、行動範囲が湾内にとどまるなど、環境の変化は少ないです。
ビーチまで車で移動するショップと、ビーチまで徒歩で移動するショップがあります。
海に近いショップの場合、ダイバーが各々器材を背負ってビーチまで歩くのですが、『すぐそこの浜辺まで』でも機材を背負って歩くのはがなかなかしんどかったりします。
ファンダイビング中に水中で自分の体重を感じない時間を過ごしたあと、ビーチに戻って波打ち際で立ち上がった時の、自分の体の重いこと!(笑)
とはいえ、ボートダイビングと違ってサラッと行けてしまう雰囲気があり、気軽に楽しむにはピッタリだと言えます。
2-3.ダイブクルーズ
ダイブクルーズとは、数日間をクルーザーで過ごし、その間は外洋に出っ放しでダイビングを楽しむというものです。
行程中はずっと船中泊で、設備の整ったクルーザーですごします。
大物を追いかけられる、遠くのポイントに行けるなどの利点があり、目標をジンベイザメに絞ったダイブクルーズなどもあります。
すぐそこに海がある環境なので、ファンダイビングの準備やあと片付けなどの負荷が大幅に低減され、その分ゆっくりと過ごす事ができますし、船によっては個室やおしゃれな船室を備えてる場合もあり、航海を楽しむことも出来るほどに整った環境もあります。
食事も提供されますが、お酒は前日の最終日の夜しか出しません、なんていう船もあるので、自分好みの過ごし方ができるか、よく調べてみましょう。
2-4.ドリフトダイビング
通常のボートダイビングでは、ポイントに到着したらボートはアンカリング(※1)します。
ダイバーは停泊中のボートから海にエントリーしてファンダイビングを楽しんだ後、ボートまで自力で戻ります。
これに対して、ドリフトダイビングでは、ボートは基本的にはアンカリングしません。
ダイバーは、潜航後は海流に乗って遊泳移動し、移動した先でボートにピックアップしてもらいます。
ドリフトダイビングは海流に乗るため、スキルの低いダイバーばかりだとすぐにパーティーがばらけてしまい、大事故につながります。
そのため、ドリフトダイビングは上級者向けのファンダイビングとして扱われています。
フィリピン沖から日本近海に流れてくる黒潮の暖流があり、この海流に乗るドリフトダイビングをブルーウォーターダイビングと呼んだりします。
抜群の透明度で、だいたい20m~30m、コンディションの良いときは50mとも言われてます。
紀伊半島や西伊豆のほか、与那国島(沖縄)でも体験できます。
宮古島で、ドリフトダイビングでもないのに早い海流に当たったことがあります。
ファンダイビング終盤でボートに帰る時だったのですが、けっこう急な斜面で、上から下に向かって早めの海流がありました。
斜面にしがみついてないと海底に押し流されそうで、フィンで泳ぐよりも両手足で斜面をよじ上った感じです。
海中で器材を背負ってロッククライミング。
水深が深いのか、斜面の下方は濃紺の海水があるのみで海底が見えません。
一瞬、今この手を放したらどうなるのか、という考えが頭をよぎって少しだけ恐怖した覚えがあります。
呼吸は段々荒くなるけどレギュレーターからしか呼吸できないし。
いやぁ、いい経験でした(笑)。
(※1)アンカリング
ボートをアンカー(碇)で固定すること。
珊瑚が多いダイビングポイントではボートアンカリング用の器具やロープが予め海底に設置されており、そこに係留索でボートを係留するだけなので、毎回碇を下すなどして珊瑚が破壊去れることの無いよう配慮されています。
2-5.ナイトダイビング
夜の海に冒険心を掻き立てられますか?
夜の海は、昼の美しさが身を潜め、とても緩やかで落ち着きを与えてくれます。
そんな海に入っていくのは、なかなか出来ない経験です。
夜にしか見られない生物もいますが、私のイチオシは夜光虫!
夜光虫は植物プランクトンの一種で赤潮の原因ともなるものですが、刺激を与えると青白く光り、夜はとても幻想的です。
漆黒の海の中、水を掻くと青白い光りの粒がヒラヒラと揺れる様は、とてもキレイです。
2-6.リフレッシュダイビング
リフレッシュダイビングとは、長いブランクのある人が感覚を取り戻すために行うダイビングの事です。
私は、このリフレッシュダイビングに最適だと思ってるものがあります。
それは、読谷村沖のジンベイザメダイビングです。(詳細はこちら(リンク))
理由はいくつかあります。
10分ほどボートに乗って、ボートからエントリーすること。
泳ぎまわるのではなく、いけすの中で過ごすこと。
そのため疲れることなく、落ち着いて中性浮力を試せること。
とてもゆったりとしたファンダイビングが出来ます。
今では網に捕まってなければならないという規則が出来たようですが、それでもリフレッシュダイビングにはピッタリだと思います。
なにより、ジンベイザメが間近で見られるし(*^-^*)
2-7.エンリッチド・エア(ナイトロックス)
エンリッチド・エア(Enriched Air =酸素富化空気)とは、通常の空気より酸素濃度を高めた気体のことで、相対的に窒素濃度を下げることでダイビングにおける減圧症(※2)にかかるリスクを低減させるために考案されました。ナイトロックス(※3)という呼び方のほうが馴染みがある人が多いかもしれません。
例えば、浅めの海で一日3本のファンダイビングを毎日繰り返すような状況だとエンリッチド・エアの恩恵は大きいです。
このため、特にダイブクルーズで使用されることが多いですが、減圧症のリスクを減らせるという理由から、海外では通常のファンダイビングで使用される機会も多くなっており、昨今では沖縄の通常のファンダイビングでも浸透しつつあります。
スペシャルティの講習が必要なうえ、メリットだけでなくデメリットもあるので、興味のある方はショップで話を聞いてみましょう。
また、一般のファンダイビングとは一線を画しますが、テクニカルダイビングという水深40m~100m程度の大深度への潜航を目的とするダイビングでは、エンリッチド・エアは必須です。
(※2)減圧症
高水圧環境から急激に常圧環境へ移動した際に、血液や体組織に溶け込んでいた窒素が気泡となって血管や組織を圧迫することで発症する症状です。
ダイビング中は吸気の窒素が血液や体組織に溶け込むのですが、窒素濃度が飽和状態に達すると減圧症のリスクが高まるため、3m~5m程度の水中で減圧停止(安全停止)して窒素を放出することが必須となります。
(※3)ナイトロックス
窒素と酸素の混合気体のことで『Nitrox』と表記され、窒素と酸素の英語「Nitrogen」と「Oxygen」を組み合わせた造語です。
窒素と酸素の混合気体であれば酸素濃度が低い気体でもナイトロックスと呼ぶことが出来るため、エンリッチド・エア(酸素富化空気)と呼び分けようとする動きもあります。
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